筑波大学附属視覚特別支援学校のWEB

保健体育教育




1.体育科の目標


 本校中高等部の体育科は授業の目標として次の3点をあげている。

  1. 生徒一人ひとりが各自の到達目標を自覚し、伸び伸びとした雰囲気の中で、積極的に活動し、体力・技術の向上に努める。
  2. 練習やゲームの経験を通して、協力して活動することの必要性を自覚し、社会的態度の育成に努める。
  3. 健康・安全に留意しながら行動するように努める。

2.年間計画


(1)中学部・高等部の年間計画


 新年度毎に、体育科会議(以下、科会議)において、学年ごとの学習内容を決め、年間の運動種目を配列する。その後、月に1度定例の科会議を持ち、指導方法や指導内容、授業形態、授業の展開など、細部に渡って検討する。


(2)保健の年間計画


 中学部3年と高等部1、2年は通年、中学部1、2年は年度途中(11月)より保健を行う。


(3)専攻科の年間計画


 年度当初に体力測定と運動能力テストを行った後、フロアバレーボールと水泳を行う。その後、それぞれの科独自にいろいろな種目を行う(サウンドテーブルテニス、リズム体操、ゴルフ、ワンバウンドバレーボール、テニス、バスケットボールなど)。かつては理療科、理学療法科ともアイススケートを行っていたが、使用していた後楽園のスケート場閉鎖と同時に中止した。また、理学療法科では車椅子バスケットボールを実施している。


3.種目別・学年別の到達目標


(1)中学生及び高校生について


 中学部、あるいは高等部3年間で、各種目の到達目標を達成すること。

  • ア.フロアバレーボールとグランドソフトボール
     個人技能を高めゲームの流れを理解する。
  • イ.水泳
     クロール、背泳ぎ、平泳ぎを習得する。高3で可能であればバタフライも指導する。
  • ウ.マット
     中学生は伸膝前転、側転、飛び込み前転、前方ブリッジ、倒立前転など。高校生はさらに後転倒立、ロンダード、前転とびなど。
  • エ.トランポリン
     ニードロップ、シートドロップ、フロントドロップ、バックドロップを基本とし、学年に応じて組み合わせの難易度を上げて行く。1990年(平成2年)までは、高校生には宙返り系も指導していたが、危険性を考え中止した。マット・トランポリンでは、高校生は自分で演技内容を作成し、実施することも課題としている。
  • オ.陸上
     (走の種目)
     短距離走を中心とする。フォームの矯正として昭和56年よりパターン(トレーニングで行われているフォーム練習)を取り入れた。
     (跳躍の種目)
     走り幅跳びを中心に行う。走り幅跳びは、全盲・弱視ともに行う。なお、3段跳びについては高3男子のみ行う。
     (投の種目)
     砲丸投げとハンドボール投げが中心。ハンドボール投げは、サイドスローとオーバースローを習得する。中学生についてはテニスボールやソフトボール、ハンドボールでオーバースローの練習も行う。高校女子はソフトボール投げも行う。
  • カ.サウンドテーブルテニス
     全員がルールを理解しゲームができるよう指導している。
  • キ.ゴールボール
     全員がルールを理解しゲームができるよう指導している。

(2)保健について


 教科書だけの知識だけでなく、最新の情報(医療、環境、生活一般、風俗、一般常識など)も授業でとりあげるよう配慮している。


(3)専攻科について


 大学の一般体育と同様に、活動することを目標としている。なお、音楽科にはリズム運動に慣れ親しむこと、理学療法科には車椅子の知識と車椅子バスケットボールの実践を特別な課題としている。


4.中高体育科における共通理解


(1)授業目標の明確化

 授業の目標を生徒一人ひとりに明確に意識させる。数量化できる種目については、距離や時間、回数などの数字で明確に示す。数量化が困難な種目は課題を与え、発表会形式で採点を行ない、その得点で具体的に示す。高等部2、3年生では、自分の能力にあった課題を各自で作成させ、提出された演技に基づいて採点を行ない、その得点を示す。


(2)準備運動


 準備運動は、決められた内容を、各学年の体育委員の指示のもとで行うことを原則としている。準備運動の内容は、1980年(昭和55年)度から、特別な場合を除きラジオ体操第一、下肢の運動、柔軟体操、倒立を実施している。


(3)授業中の安全


 授業中の安全には最大限の注意を払う。そのためにも、服装や運動器具の安全確認、運動実施中の決まり(待機場所、活動場所、活動後の戻り方など)を生徒に守らせる。生徒と同様に、指導者側も用具及び器具の安全点検はもちろんのこと、グランド及び体育館やプールの状況を常に確認しておく。


(4)技能遅滞生徒の指導


 生徒一人ひとりの活動状況を確認し、技能的に遅滞している生徒には個別指導で補うように十分配慮して指導する。


(5)重複障害等の生徒指導


 視覚障害以外に下肢や体幹、または内疾患などの障害を併せ持つ生徒(以下、重複障害生徒と記す)や、医師から運動を制限されている生徒など、他の生徒と同じ種目が実施できない生徒に対しても、可能な範囲で授業内容を作成し活動させる(サウンドテーブルテニス、ゴルフのパッティング、ウエイトトレーニング、ジョギングなど)。


(6)サーキットトレーニング


 盲生徒は一般の生徒に比べ、どうしても体力的に劣ると考えられる。そこで中学部においてサーキットトレーニングを可能なかぎり実施し、基礎体力の向上を目指している。


5.授業の形態


(1)中学部・高等部のクラス構成


 体育の授業はすべてのクラスを合併させ、学年単位で実施している。

 担当する教員の数は、クラスの数に合わせて中学部2名、高等部4名の教員で授業を担当する。


(2)専攻科のクラス構成


 専攻科音楽科は1年と2年の合同で授業を行う。鍼灸手技療法科及び理学療法科は1年のみの必修となっており、別々に授業を行っている。


(3)授業の形態


 すべての授業は、男・女、全盲・弱視を分けることなく行われている。指導方法はチーム・ティーチングの形式を行っている。主たる教員が授業全体を進行させ、他の教員は補助的指導や個別指導、安全確保にあたる。また、授業内容によってはグループに分け、それぞれのグループに指導者がつき、指導する。

 中高体育は同じ教員が同じクラスを担当することが困難となっている。そのため、指導内容や指導方法の打ち合わせが必要となる。また、授業内容や連絡事項を次の授業担当者に伝えるため、授業記録を作成している。

6.体育的行事


近年 各クラブ参加大会

  • 関東地区盲学校ゴールボール大会
  • 関東地区盲学校グランドソフトボール大会
  • 関東地区盲学校水泳大会
  • 関東地区盲学校中学部フロアーバレーボール大会
  • 関東地区盲学校高等部フロアーバレーボール大会
  • 関東地区盲学校卓球大会
  • 関東地区盲学校陸上大会

  • 全国盲学校野球大会

  • 東京都障害者スポーツ大会(水泳)
  • 東京都障害者スポーツ大会(卓球)
  • 東京都障害者スポーツ大会(陸上)
  • 東京都障害者スポーツ大会(野球)

  • 障害者スポーツセンター水泳大会
  • 障害者スポーツセンター陸上大会

  • ジャパンパラリンピック水泳大会
  • ジャパンパラリンピック陸上大会

  • 日本選手権水泳大会
  • 日本選手権陸上大会
  • 日本選手権ゴールボール大会

  • 関東選手権水泳大会
  • 関東選手権陸上大会
  • 東日本ゴールボール大会

過去の大会結果 本校在籍者・卒業生等の大会参加実績

世界大会

開催年開催地種目・参加者名・記録
1980 アーヘン パラリンピック 陸上 村松正文
1984 ニューヨーク パラリンピック 陸上 島津良範
1988 ソウル パラリンピック 陸上 大束導正
1992 バルセロナ バラリンピック 水泳 河合純一 銀2個 銅3個水泳 植田聖
1996 アトランタ パラリンピック 水泳 河合純一 金2個 銀2個 銅1個
2000 シドニー パラリンピック 陸上 今井裕二陸上 星野直志 銀1個水泳 河合純一 金2個 銀3個
2004 アテネ パラリンピック 水泳 秋山里奈 銀1水泳 酒井喜和 銅2陸上 斎藤晃司柔道 加藤裕司 銀1ゴールボール 浅井三重子水泳 河合純一 金1 銀2 銅3陸上 福原良英
2008 北京 パラリンピック 水泳 木村敬一水泳 秋山里奈水泳 河合純一ゴールボール 加藤三重子ゴールボール 高田朋枝
2009/01/10